ブランディング・デザイン
PAGE TOPブランディングとは、ブランド計画を立案し実行していくことをいいます。ブランドと商標は、少し範囲が違いブランドの方が広い範囲を表します。商標は、文字やデザイン、マークなどの視覚的なものを表しますが、音声や香りなどは商標となりません。一方ブランドは、イメージまでを含む言葉として表されます。そのイメージ戦略にデザインによる差別化は欠かせないものになっています。デザインについては、今まで様々な実験が行われて来ました。色やデザインを変えた数種類パッケージに入れた同じ商品を味見したり、使ってもらったりした場合でもかなりの評価の差が生じます。それに加えて有名なブランドのロゴをつけると、その差はもっと顕著に表れてきます。一般的に評価の基準になる順序は、企業イメージ、包装紙の色、箱のデザインの順だと言われています。消費者の選択基準をいかに作って行くかがブランディングの基本です。
コトラーの言葉
PAGE TOPブランドは価格競争を避けるうえで大きな役割を果たします。強大なブランドは、無名ブランドと比べて、信頼、安心、さらに高品質のイメージを生みます。人々は強大なブランドには、上乗せ価格を支払ってもよいと考えます。気をつけて欲しいのは、多額の広告費を投じても、それだけで強いブランドが築けるわけではありません。ブランドの強さの根源は、プロモーションではなく、ブランドそのものの価値にあります。私たちはよくこう言います。
「ブランドは当初はパブリシティや広告を通して構築されるが、繁栄を続けるかどうかは、パフォーマンス次第だ」と言っています。
ブランドの役割
PAGE TOPブランドが確立していると、競争市場の中における消費者にとってサービスや商品を購入する為の大きな決定要因になります。品質の安定、保証への信頼、所有する喜びなどの満足を得ることが出来ます。提供側のメーカーなどにとっては、リピーター率や利益率、売上などの向上が考えられます。リピーターが増えることにより、マーケティング・コストの削減にも繋がります。
ブランドの機能
PAGE TOPブランドの機能の代表的なものに4つあります。
1.差別化機能
消費者にとって識別が簡単になり、提供者にとっては競合他社との識別が可能になります。
識別のしにくい野菜や果物などにブランドシールが貼ってあると、消費者がそのブランドに意味や価値を感じる事により購買に繋がる機能。
2.保証機能
企業が自社で生産、提供する商品やサービスについて、ブランドを識別できるものを表示することによって、一定の水準を消費者に示す役割を果たします。そして企業側は信頼に応える責任を持たなければなりません。それにより消費者は信頼、支持をします。
3.想起機能
消費者が行動をおこす全ての場合において、いつも調べることからはじめるわけではありません。簡単な日常生活品に対しては、過去の経験や蓄積された情報より想起し商品やサービスを選択します。この記憶と想起を助けることがブランド機能です。
4.販売促進機能
商標自体が広告となり販売促進効果があります。例えばブランドロゴの着いたバッグを持ち歩いてもらうことが、自然と歩く広告となっています。
ブランドの分類
PAGE TOP| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 全国商標 | 全国展開の商品ブランド |
| 地方商標 | 地域限定の商品ブランド |
| ナショナル・ブランド(NB) | メーカーのブランド、基本的には全国ブランド |
| プライベート・ブランド(PB) | 流通業者独自のブランド、ストア・ブランド(SB)ともいう |
| ノー・ブランド | 小売店などが独自で開発した商標のない商品ブランド |
| ミックスド・ブランド | メーカーがNBとPBを同時に生産するもの |
| ダブル・ブランド | 同一商品にメーカーブランドと流通業者ブランドを合わせ、ブランド力をあげる |
| ファミリー・ブランド | ある企業の商品全てに共通するブランド。ソニーやポルシェなどがある |
| 個別ブランド | 商品ライン毎につけられたブランド |
| 複数ブランド | 同一メーカーが同一領域の複数の商品につけるブランド |
ブランド・エクイティ(資産)
PAGE TOPエクイティとは、正味資産のことであり、ブランドを資産としてとらえる考え方は1980年代後半から論じられ始めました。1991年デービット・アーカー教授(カリフォルニア大学)が、「ブランド・エクイティ戦略」を体系化し、いっきにブランド論が発展しました。彼の定義は、「企業や顧客に製品やサービスによって提供される価値の増減の源であるブランドに直結したブランドの資産と負債の差し引き合計だ」としています。その構成要素としてブランド・ロイヤルティ、ブランド認知、知覚品質、ブランド連想を挙げています。下記の5つのブランド・エクイティは企業にとって無形の大変重要な財産と考えられています。
1.ブランド・ロイヤルティ
顧客がブランドに対して持つこだわりのことです。ある特定のブランドを過去に購入や使用し満足を得る経験を持つことにより、そのブランドを好む態度や忠誠を誓ったように反復購買する志向のことをいいます。消費者は他のブランドに移ることで前のブランドでの成功体験、満足した体験を失う事を嫌がる傾向があります。これを強く感じた結果、リピータとなることを「ブランド・ロイヤルティが高い」状態といいます。こうなると安定した売上を見込むことができます。またブランド・ロイヤルティを確立すると、既存顧客を維持しやすく新規顧客を獲得するよりもコストは低くなります。これにより競合他社のスイッチング・コストを増加させ、収益面でも有利になります。
2.「ブランド認知」
消費者が購入しようとする商品カテゴリー毎の一番に想起してもらうため、ブランドの認知度を上げていきます。実際は、「ブランドを知らない」「ブランドは知っている」「思い出す候補に入っている」「そのブランドが一番に思い出す」のような順で認知度は上がっていきます。
3.「知覚品質」
消費者は、購入する商品やサービスの情報を目的に応じて感じて行きます。それは店舗の雰囲気や接客であったり、商品の性能や成分であったりします。その内容が自分自身にとって有益であると知るのではなく、感じることがブランド・ロイヤルティに強く影響を与えます。「なんだかいい感じ」と言っていただくことが大切です。消費者は決して性能だけで比べているのではありません。
4.「ブランド連想」
消費者の生活を豊かで便利に楽しく変えてくれるものを連想させるブランドが重要な購入理由になります。消費行動をおこす際、思い出すだけの「想起集合」の商品群から一段上がり、「考慮集合」として絞り込まれ、最後の購入を勝ち取るには、そのブランドを持つことにより他の物にない豊かさを感じさせる連想物語が必要です。その物語がブランドを価値ある物へ高めます。
5.「その他の資産」
特許権、商標権などの権利を持つことにより類似品と差別化できること。その他スローガンなどの既存イメージ資産があります。
ブランド・エクイティ戦略は、企業イメージの向上だけでなく、売上向上、コストダウンなど様々なメリットがあります。計画的にブランディングを進めることは、企業と消費者の両方の満足を高める大切な戦略です。
参考文献:「ブランド・エクイティ戦略」D・A・アーカー(陶山計介他訳)ダイヤモンド社