後継者対策に関する相談

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 オーナーにとって、自らの企業が永続的に維持・発展させていくためには、事業承継対策を考える必要があります。事業承継とは、会社の「経営」と「株式」の承継を、セットもしくは別々に行うことです。 事業承継にはいくつもの選択肢が考えられますが、それぞれの特徴を把握して、最も適切な方法を選択・実施することが、将来にわたって会社が発展していくためには重要です。経営者が事業承継・経営承継をしようと考えるときに、まず初めに考えるのは、「誰に会社を承継するか」「誰を後継者にするか」ということでしょう。当然、後継者がいなければ、どれだけ事業承継・経営承継対策を講じようにも講じられないでしょう。

 では、実際の中小企業において、誰が後継者として選ばれているのでしょうか?中小企業白書によると下表のようになっているそうです。

後継者対策に関する相談

資料:三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)「「事業承継」「職業能力承継」アンケート調査」(2005年12月)
※後継者について「既に決めている」と回答した企業のみ集計している。

自分の息子・娘

中小企業の場合、まず後継者の候補となるのは、経営者自身の息子や娘のようです。上表の通り、7割以上が息子や娘に事業承継・経営承継をするとされています。また、経営者の子どもが後継者にすることは関係者からの理解も得やすいでしょう。
また、息子や娘が家業を継ぎたくないと考える傾向も多いようです。そのため、経営者が息子や娘を後継者にしようと考えているのであれば、後継者にしたい息子や娘に対して家業を継ぐ意思があるかどうかを、早い段階で確認する必要があるでしょう。

息子や娘以外の親族

経営者の息子や娘が家業を継ぐ意思がない場合、次に後継者の候補として考えられるのは、それ以外の親族、具体的には、娘婿や経営者の兄弟姉妹、甥、姪等のようです。中小企業の場合、親族がその会社の役員や社員にいることが多くあるからでしょう。

企業内の人材

親族に後継者がいない場合には、共同経営者や社内の役員・従業員などの企業内の人材が候補となります。しかし、企業内の人材を後継者にする場合には、経営者・オーナーからその役員・従業員への株式・事業用資産の譲渡に問題が生じることがあります。特に、株式・事業用資産を譲受するだけの資金を持っていないことが多いようです。そのため、企業内の人材に事業承継・経営承継をする際は、株式・事業用資産を譲受するための資金を予め準備しなければならないという配慮が必要です。

外部からの招聘

親族にも社内にも後継者の候補者がいない場合には、メインバンクなどの金融機関から人材の紹介を受ける、取引先から人材を抜擢するなどの方法も考えられます。この方法を選択すると、経営者が交代してもメインバンクなどの金融機関や取引先との信頼関係を維持できるというメリットがあります。しかし、社内からは「どこの誰とも分からない人の下では働きたくない」などと反発が生じる可能性もあります。

 ここまでで、中小企業は世襲で承継されるという事例が多いということが良く分かります。
 しかし、中小企業においては会社の所有と経営が十分に分離されていないケースが多く、経営者に株式の過半が集中しているのが実情です。この場合、後継者に『代表取締役社長』の席を譲っただけでは全く事業承継になりません。単に、先代経営者が議決権を支配するオーナーになり、現経営者が雇われサラリーマン社長になるだけです。
 その場合でも、オーナーであるが先代の存命中は経営にあまり支障は生じないでしょう。しかし、オーナー亡くなった瞬間にそれが生じてしまうことがあります。例えば、遺産の相続によって会社の株はオーナーの遺族の何人かに相続され、その被相続人の意見が一致する保証はない上に、その会社の経営に何らの想い入れや愛着も持ち合わせていないという事態に陥ってしまうということです。
 そこで、会社議決権(株式)の相続に伴う混乱を回避するために、存命中に後継者へ「代表取締役社長」の席を譲ると同時に、自身の持株も譲る必要が出てきます。しかし、相続や贈与の対象になってしまい、課税の対象になってしまったりしますので、長期的に計画的に行動する必要があります。
 他の方法として、事業譲渡やM&Aによって会社の事業そのものを第三者に譲り渡してしまうという方法も考えられます。この場合には、事業譲渡やM&A後の従業員の就労内容や条件などに配慮する必要があります。また、会社自体を譲渡することにより、後継者問題の解決、そして創業者利潤の確保、(条件によりますが)従業員の雇用の確保などのメリットを享受することが同時に可能となります。

 しかし実際には、ある程度早期に後継者が決定されたとしても、必ずしも十分な準備が行われていないということがあります。理由としては、事業承継問題が今日・明日に必ず発生するという性質のものでもないため、日々の業務との関係で優先順位が下がっていることが考えられます。このように、経営者が早期に準備着手するインセンティブがないことが、事業承継問題の特殊性であると言えます。

 では、どのような方法で事業承継を行えばよいでしょうか?具体的には、下表のように1)継承に向けた企業経営、2)後継者教育、3)後継者の経営環境整備、4)相続対策に順次着手することになります。

事業継承計画の策定(いつまでに、誰に、何を、どの位、どのように)
経営権を後継者に集中させる(株式の生前贈与等)
社内での、経営に必要な経験の付与
他社勤務や海外留学等、多様な経験の付与
財務・法務を含めた経営に必要な知識の付与
社内関係者(役員・従業員)へ後継者に対する理解を得る努力
社外関係者(取引先・金融機関等)へ後継者に対する理解を得る努力
相続財産の把握や自社株評価額の算定により、税負担を確認
相続時生産課税の利用等、最適納税方法の検討・選択
相続紛争を防止しつつ資産を後継者へ集中させるべく、遺言書の作成

 また、経営者が社長を辞めた後も、会社の会長として残り、後継者社長による経営をバックアップして、徐々に後継者に権限を委譲していくという方法もあります。
 結局のところ、どのような方法をとるにせよ、事業承継・経営承継を成功させるためには、十分に時間をかけて計画的に行う必要があることには変わりません。

 当社では、事業承継・経営承継を成功させるための事業継承計画の策定から実際の継承作業に関するトータルのご支援および、その際に必要となる専門士業の紹介業務を行っております。